手は胸椎から動かす!?
腕を肩甲骨から動かすとか言いますが、もっと奥にイメージを持った方がいいです。
奥とは、「胸椎」です。
胸椎を側屈させることで、体幹が腕の動き方向を作り出し、
スイングプレーンにクラブを乗せやすくします。
ポイントなのは、側屈は胸椎だけにしたいです。
腰椎から側屈するとダフリやすくなります。
胸から上だけを横にねじる感じです。
特に大人になってからゴルフを始めた方はこの部分の動きが出ていないです。
若いころは何も考えずに打てたのに、最近打てないなんて悩みがあればこの辺の動きを見直してみて下さい‼
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古市忠夫プロ
還暦でプロテストに受かった古市プロ。
合格した時が2000年だったので今は82歳?!
震災を経験し、
「助かった命に感謝していれば何でもできる」
常に「感謝」とおっしゃってました。
私はプロテストに通った直後に一緒に回ってもらいました。技術的なことよりも精神的なことをアドバイスされたことを覚えています。
「どんなミスショットを打っても胸を張って歩け」
一番覚えているアドバイスはこれです。
この後QTのファーストを通過し、セカンドは1打差で落ちましたが自分としては上出来でした。試合でアンダーパーで回ったのは後にも先にもこの時だけです。ほんとにこの言葉を繰り返し意識しながらラウンドしていました。
今考えると、胸を張って歩くことでアドレスが崩れにくくなり、ショットの再現性も高くなっていたのだろうと思います。下を向いて歩くと無意識に身体を縮こませ、次のミスショットを誘発するんでしょうね。技術なんてたいしてなかったですけど気持ちの持ちようだけで変わることが良く分かりました。
ボールを打つ時だけでなく、歩いている時から勝負は始まっているんです。古市プロに言わせれば日常生活から始まってると言われそうですけど・・・。
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田中健太呂プロ
健太呂は後輩です(最近は登録名が東健太郎に変わったみたいです)。
高校を卒業して、ゴールデンバレーGCの研修生として現れました。
まず気になったのは、名前の呂(ろ)。
髪型も特徴的で、イケメンで、体は小さいけど、
姿勢が良く常に堂々としていました。
それでも中身はいたずら好きの悪ガキです。
練習場に出没するイノシシを捕まえようと罠を仕掛けたり、
空いてる時間に将棋対決をしていたことを思い出します。
一番驚いたのは、20歳くらいでゴルフを辞めて、サーフィンばかりしていたのに、急にゴルフを再開して、そのまま最年少でファイナルクオリファイに進んだことです。
その時に言ってました。
「ちょっと本気出しとく」
彼はその鋼のメンタルが化け物でした。
どんなに練習していなくても、
「自分は絶対できる、勝てる」
心の底からそう思い、迷いなど感じませんでした。
正に天性です、これは真似は出来そうにありません。
スイングは、全身の筋肉を使って粘り気のある動きをしていました。
当時は分からなかったのですが、今考えると粘り気の正体は連動性だと思います。
「筋肉や関節が、繋がって一つの動きを作る。」
上半身だけの意識でも、下半身だけの意識でも足りません。
体幹は下半身と上半身のどちらにもリンクしているんです。
つまり体幹は、回転の要素と上下の要素どちらも持っているということなのです。
この二つの力を繋げる動きが体幹の役目なのです。
肩や体幹はレベルに回るだけでなく、上下に動くことも必要なのです。
つまり背骨の動かし方(胸椎の動かし方)が大事なんです。
この考え方が当時出来ていたらなぁ・・・。
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宇佐美秀樹プロ‼
宇佐美さんは、ゴールデンバレーGCに入ったときの先輩です。
2022年はシニアツアーに参戦中です。活躍楽しみにしてます。
宇佐美さんは、体は小さいのにその無尽蔵かと思われるようなスタミナに驚きました。真夏の暑い日でも、土砂降りの雨の日でも黙々と練習をする人で、時間の使い方に無駄のない人でした。ゴルフはフェードヒッターで、アプローチ、パターが抜群に上手いプロです。
脱サラし、プロゴルファーになった人で、色々教えてくれました。
「居酒屋で愚痴をこぼしているサラリーマンは偉いんだよ。」
「(ギャンブルで負けない方法?)ギャンブルをしない事だよ。」
実社会の厳しさを知っているからこその重たい言葉です。
ゴルフで教わったのは、グリップ。
アドレスでの手首の角度を一定にするように言われたのを覚えています。
動かしていい場所、あまり動かさない方がいい場所を理解することは大事ですね。当時は再現性が高くなるぐらいにしか理解できていなかったのですが、今考えると手首の角度を一定にすることで、「それ以外の場所を使う」効果があったのだろうと思います。
つまり末端の動きを制限すれば、体幹、肩甲骨、脊柱の動きを使わざるを得ないのです。結果大きな筋肉を使ったパワフルで再現性の高い動きが身に付くのです。
あの時これが分かってたらな~。。。
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佐野木晶裕プロ‼
研修生時代を一緒に過ごした天才、佐野木プロ。
ジャンボ尾崎のキャディ佐野木計至さんの息子です。
練習嫌いで、身体も大きくない。なのにボールが飛ぶ!!ショートゲームもうまくて、やっぱり才能って大事なのかと何度も思わされました。物事に執着しないで飄々と生きている感じがかっこよかったです。
そんな彼に唯一褒められたのがパッティング。
ぽろっと言ってくれた言葉を20年経った今もまだ思い出します。
それだけ嬉しかったんでしょうね。
今になって佐野木のスイングを思い出してみると、肩の入り方、体幹のねじり方がポイントだったと思います。動きの中で自然と身に付けたバックスイングは、身体のエネルギーを伝えるには必須のアクションだったのです。
スイング中、脊柱(背骨)は複雑な動きをします。
解剖学的にはカップリングモーションと呼ばれます。
胸椎1番から7番は同側回旋、倒した方向に回旋します。
胸椎8番から12番、腰椎1番から5番は対側回旋、倒した方向と逆に回旋します。
簡単に言うと、真ん中より上と下で側屈時の回転方向が違います。
この解剖学的特徴からゴルフのバックスイングを考えると
胸椎の動きが回転方向と逆になります。
つまり意識的に胸椎の側屈と回旋を行わないといけないのです。
これは出来ている人は勝手に出来ていますが、
出来ない人は意識しないとできないポイントなのです。
解剖学的には自然に出来ない動きですから。
そんなこと知らなくても、天才たちはやってるんです。
でも分かってしまえば凡人にだってできます!!
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鹿田英久プロ‼
鹿田英久プロ。2003年アイフルカップ最終日最終組でのプレーが今も目に焼き付いています。惜しくも優勝は出来ませんでしたが、全盛期のプレーは間違いなくトップレベルでした。
鹿田プロは、私がゴールデンバレーGCにいたころの師匠です。
「大きなアドレスを作り、高いフィニッシュをとれ。」
色々教わりましたが、スイングで言われたのはこの言葉。
おそらく小手先のゴルフになっていた私のゴルフを矯正しようとしてくれてたのでしょう。確かに高いフィニッシュを取ると身体のバネを使える感覚があります。今で言う地面反力を最大限に使う感じです。ウエイトリフティング的にはクリーンの動きのような感覚です。
その当時は分からなかったのですが、身体の使い方で手元の意識も変わるということです。普通に考えれば、身体を速く回した方がボールが飛ぶ感じがします。
でもほとんどの人が身体を回しているつもりで、手にも力が入って、結果手打ちになってしまいます。手元がでしゃばるとスイングが窮屈になります。
これを解消するのが
「身体をゆっくり回す意識。」
分厚い身体はゆっくり動かすぐらいのイメージでもかなり早く動きます。
なぜかというと、回転半径が小さいからです。
なので、速く回そうとしないでいいんです。
そして身体をゆっくり回す意識の最大のメリットは
「上腕の力みが消えること(手元のでしゃばりが消えること)。」
試してみて下さい。
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小泉洋人プロ‼
ジムに来ている小泉洋人プロが言っていました。
「手元の動きで作られる右股関節前のインパクトを、足の動きで左足前に運ぶ」
手だけを振りながら、身体の動きをトラックに任せてみます。
何となくイメージできますか?スイングのイメージはこんな感じです。
身体で打つ、手の動きが大事など、良く議論されるところですが、結局はどちらも使いますし、どちらにも大切な役割があります。身体の使い方、手の使い方、クラブの使い方、色々な角度から一つのスイングが作れます。人によっては身体だけ、手元だけと解釈する人もいますがそれは結果論。でもどれかのパーツを当てはめることでスイングが劇的に変わることもあります。手元の意識、下半身の意識、体幹の意識、クラブの扱い方、ひとつづつ身に付けてみて下さい。
あれは私が初めてプロテストの予選に出た時の話です。
風が吹き、コンディションが最悪な中、私は78で回り、何とかカットライン上にとどまりました。その日70で回りトップにいたのが小泉さんだったのです。
上手い人がいるなぁとそんな記憶がよみがえります。
10年後、その人に出会いゴルフ理論を教えてもらうなんてなんか不思議ですね。
次回は研修生時代の師匠の言葉からスイングを考えてみます。
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